「象と象使い」という言葉を知っていますか?
私は、この本で、この言葉(比喩)を知りました。
「
スイッチ!」チップ・ハース, ダン・ハース著、千葉敏生訳、早川書房
「象と象使い」という言葉は、心理学者ジョナサン・ハイトが「幸福の仮説 The Happiness Hypothesis」という本の中で紹介している比喩だそうです。
人の脳には、「感情」と「理性」という2つのシステムがあり、両者の間では常に葛藤が起きているという。私たちは「理性」で「感情」をコントロールしようとしていますし、時にはそのコントロールが効かずに「感情」が暴走したりしますよね。
ハイトは「感情」は「象」のようなものであり、「理性」は「象使い」のようなものだと比喩を用いて両システムを説明しているそうです。
一般に象使いは小さく、象は大きいので、その制御は不安定で、言うことを聞かせるのは難しく、象と象使いで進みたい方向が違えば、象使いが負けることが多いそうです。
こうした「象」と「象使い」の説明を読みながら、自分の象はどんなだろう? 自分の象使いはどんなだろう? と想像しました。
そしたら、いつもは意識したがらない自分の弱みや苦手と感じるところに嫌な感情を持たずに素直な気持ちで向き合うことが出来ました。
そこで、この「象」と「象使い」という比喩表現は、自分に向き合っていくための有効な入り口になるのでは? と思い、ここに紹介したくなったのです。
私の象は、楽観的で、のんびり者。
私の象は、安定が大好きで、他所には行きたがらない。
私の象は、とても大きく、動くのにはエネルギーが必要。
私の象使いは、象のいいなり。本人にそれで不満はないみたい。
私の象使いは、怖がり。あまり前に進もうとしない。
私の象使いは、とてもクール。象に対して怒鳴ることはしない。
こんな感じです。
さて、
あなたの心の中に居る象はどんな象ですか?
聞き分けの良い象でしょうか? それとも、我が儘な象ですか?
活発で行動的な象ですか? それとも、動くのが嫌いな象ですか?
怖がりの象ですか? 勇敢な象ですか?
あなたの脳の中に居る象使いはどんな人ですか?
短気な象使いですか? 辛抱強い象使いですか?
怠け者の象使いですか? 意志の強い象使いですか?
象のことや象の気持ちを理解しようとしている人ですか?
それとも、象のことを嫌っている人ですか?
今の自分の「象」と「象使い」がわかったら、これから先、どんな風になっていって欲しいかを考えてみましょう。
あなたが望む未来を手にするには、どんな象になって欲しいですか?
あなたが望む未来を手にするには、どんな象使いになって欲しいですか?
きっと有意義な課題がいくつも見つかることでしょう。