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気づきと対話の中から | コーチング,NLP,ファシリテーションetc

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森先生の気質論

今日は、ブリーフ・セラピー研究会+日本ソリューショントーク協会の合同セミナー。

森俊夫先生の「気質論」。

内容は、黒沢幸子先生と展開している気質論。
クレッチマーの3気質にヒステリー気質を加えた4気質。

先生は、気質の話をする前に、釘をしっかりとさしました。

一つ目は、ミルトン・エリクソン。彼がいつも言っていたことは、人間ひとりひとり違うからそれに応じたセラピーが必要。理論から人を見てはいけないという事。

二つ目はギリシャ時代の「プロクルステスの寝台」という話。患者をベットに寝かせるが、全ての人をベットサイズに合わせてしまうという恐ろしいお医者さんの話。背が短い人は頭や足を伸ばしてしまうし、背が高かったり、太ってベットからはみ出ている人は、はみ出ている部分を切り落としてしまうという。足りない部分やはみ出ている部分がその人の個性なんだから臨床家が一番やってはいけないことと言われました。

幹が一般理論で、枝葉は理論に合わない部分、そこが人の個性だと。

そして、でもいきなり、100人それぞれに対応は難しいから、ある程度のパタン化は必要だよねとにやりと笑って、気質論に入りました。

気質は生物学的な話。遺伝子レベルが決定するもので、生涯変化しないものらしい。

パーソナリティや性格は、後天的・環境的に獲得したものらしい。

気質だけを取り扱いたくても、環境や後天的に得たものと先天的な気質とを分類出来ないので、気質の研究をしても証拠(エビデンス)がないので1920年代にクレッチマーが気質論を展開後、ほとんど発展していないらしい。

原因がわからないものは精神疾患と呼ばれ、原因がわかると身体疾患にまわされる。だから臨床家が扱うものは原因がはっきりと分からないものだらけ。そのときに気質が役に立つ(かもしれない)。

状態を見て診断することは落とし穴があることを言われた。

うつの症状だからといってうつ病とは限らない。
うつ病だったらうつになるけど、うつだからうつ病ではない。

統合失調症でもうつの症状になる。
間違えて抗うつ剤を統合失調症の人に与えたって良くはならない。

4つの気質は
 分裂気質(調子をくずすと統合失調症になるタイプ)
 循環気質(調子をくずすと躁うつ病になるタイプ)
 粘着気質(調子をくずすとてんかんを起こすタイプ)
 ヒステリー気質(調子をくずすとヒステリーを起こすタイプ)

それぞれの特徴を説明してくれました。

やっぱり、自分の気質は自分では分からないらしい。
他人に聞くしかないらしい。

関心事が自分にあるのが分裂気質。相手に感心があるのが循環気質で、粘着気質は人でなく、「モノ・コト」に関心がある。ヒステリー気質は、人と人との関係性に関心が強く、自然と人とかけひきをしてしまうタイプ。

いっぺんに複数の事が出来ないタイプは分裂気質。この人達は三角食べが出来ないらしい。循環気質はいっぺんに複数やるのが得意。

分裂気質にはエリスの論理療法がよく機能して、循環気質にはロジャース、粘着気質にはパールズやゲシュタルト療法が合うと言う。

各心理療法を始めた人の気質がその療法の強みになるという。つまり、ロジャースは循環気質であるから、循環気質の人に効く療法を考えられたと言っていた。

ヒステリー気質の説明をしていて、可笑しかった。

「わかる?」

「わかるよね」

「今の説明で納得できた人はヒステリー気質を持っている人だよ」

「分からない人はそれでいいんだよ。わかろうとしなくても」

「気質が違うからその感覚はわからないから」 

わからない人はヒステリー気質を持っていない人だと言う。わかる人は、ヒステリー気質があるからこそ理解できちゃうらしい。

ということで、まだまだメモは続くなあ。

今日はこのあたりで終わり。


では。 
by hangloose | 2010-01-31 22:53 | セミナー
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